糖尿病について~基礎編~
健康診断で発見しづらく、「隠れ糖尿病」とも言われます。
キーワード
- インスリン
- 食後高血糖・血糖値スパイク
- 病気の型
- 合併症
- 予備軍の状態
- 予備軍のうちから気をつけたい事
- 治療としての、食事、運動、薬物
- 欧米人とアジア人の違い
糖尿病とは
インスリンという血糖値を下げるホルモンの分泌量が不足したり、働きが悪くなったり、その両方が組み合わさった状態により、体内に取り入れられた栄養素がうまく利用されずに、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなり過ぎた状態が長く続く病気。
血糖を下げることができるのは、この「インスリン」ただ一つ!!
なので、大事な点であり、大切にしなければいけないホルモンになります。
※歴史的に、人が飢餓に直面したことは何度もあり、血糖をあげようとするホルモンは備わっている。
「グルカゴン」←興味深い研究報告があるので、リンク先記事もぜひお読みください
「成長ホルモン」「コルチゾール」
血糖値が高いと何がいけないの?
血糖値が上昇すると、血管が傷つきやすくなり、肥満を始め生活習慣病や様々な病気のリスクが高まり、最終的には血管の動脈硬化を進行させてしまう。

こわいのは合併症
長期間、高血糖状態がつづくと、血管が傷つけられ、様々な合併症が発症してしまう。
大きく分けて、細い血管が障害されるものと太い血管が障害されるもの2種類ある。
三大合併症・・・神経障害、網膜症、腎症
大血管障害・・・壊疽、脳梗塞、心筋梗塞

※脳卒中・・・脳梗塞(糖尿病だとリスク2倍)、
脳出血、くも膜下出血
糖尿病の型について
大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病に分けられる。

◆1型の発症原因はよくわかっていない。
すぐにインスリン製剤が必要なケースも多いが、進行スピードによって劇症型、急性発症型、緩徐進行型に分類。
◆2型糖尿病=生活習慣が悪いということではなく、遺伝的要因が影響することも多い。そもそもインスリンの分泌量が他の片よりも少ないという事があるので、食生活に気をつけて、運動も取り入れてと頑張っているのに上手くいかない場合もある。
※自分の膵臓を守る、労わってあげるために高血糖が続くようであれば、薬の併用も考える。
インスリンの働きとは

インスリンは、血管から細胞に糖を運び、血管の中の糖を下げてくれる働きがある。
食後高血糖・血糖値スパイクとは

食後に急激に血糖があがり、急激に下がる血糖値スパイクを起こすときに、一番血管を傷つける原因になる。


他にも倦怠感や頭痛・めまい(急激に血糖値が下がることで)、肩こりなどの症状が出ることも
血糖スパイクを防ぐための具体的なポイントはこちら
食後高血糖を避けたい理由
①ひとつ上の記事で書いたように、まだ糖尿病になる前段階では、インスリンがまだ効いているので、食後高血糖になるとインスリンの働きで、急激に今度は血糖値が下がります。
その際に血管を傷つけてしまうため。
②生存率の違い

左:食後血糖値が高い予備軍
※生存率が大きく下がる
右:空腹時の血糖は高めだけれど、食後の 血糖値はそこまで高くならない予備軍
※健康な人と比べてそこまで生存率が
下がらない
予備軍の状態
予備軍境界型といって、糖尿病と診断されるずっと前から、自覚症状がなくても、体の中では変化が起き始めています。
症状が現れたとしても、非常にゆっくり、少しづつあらわれるので、注意が必要。
症状としては
疲労感、皮膚が乾燥して痒い、手足の感覚が低下するまたはチクチク刺すような痛みがある、感染症によくかかる、頻尿、目がかすむ、性機能の問題(ED)、切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい、空腹感やのどの渇きがひどくなる
また、糖尿病だけでなく、予備軍の方は健康な人に比べて、2.2倍、心筋梗塞や脳梗塞になりやすいと言われています。
欧米人とアジア人の違い
民族、体質の違いから、インスリン分泌量が異なる!
日本人・・・農耕民族。野菜、穀物中心の食生活。牛や豚など動物性脂肪を摂取することが少なく、農耕作業で運動量が多く、インスリンの必要量が少なくて済む傾向
欧米人・・・牧畜民族。お肉や牛乳などの摂取が多く、もともとインスリンを多く必要とする。

膵臓の大きさ自体に違いがあり、日本人は欧米人に比べて、インスリンの分泌量が半分くらいと言われている。
インスリンの分泌がものもと少なく、ちょっと太っただけでも糖尿病になりやすい。